■純恋愛
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あとがき
私はここ数年、全く小説を書いていませんでした。
この「純恋愛」も、元々は7年ほど前に書いたものです。
一度は完結させた作品だったのですが、その原稿も私の手元には無く、その存在すら忘れつつあったのです。
しかし、ひょんなことから第三章の途中までのデータを見つけることができ、今の私なりの「純恋愛」を完結させてみようと思い立ったのがサイト開設のきっかけであり、執筆活動再開のきっかけでもありました。

ですから、第三章の途中(第三章-3)あたりまでの文章と、それ以降の文章が若干タッチが違ったりするのではないでしょうか。
サイトにアップする際、誤字などを軽く訂正したりもしましたが、敢えて、原文をほとんどそのまま使うことにしました。
元々文章はあまりうまい方ではないので、今よりも酷い昔の文章をアップすることは少し恥ずかしかったのですが、今となってはそれも面白いかなあと思っています。

この作品では悠子の恋愛だけでなく、真奈美との心理的な戦争のようなものも描いたつもりです。
「こんなことあるわけないじゃないか」というやり取りもたくさん出てきますし、悠子や真奈美のどろどろとしたいやらしい部分もかなり強調して書いています。
しかし、どんな女性の心の中にも、「悠子」や「真奈美」は潜んでいるのだと思います。
平凡な毎日を生きながら、どこかでドラマティックな展開を望んでみたり、痛みや辛さに酔ったり浸ったりする自分がいたり。
「痛み」が多いドラマほど、人は惹き込まれてクセになるものです。
失ったり、辛い思いをしながら、何度も恋に落ちるのは、きっとそのせいでしょうね。
誰もが普段は隠していたり気付いていなかったりする心の闇や、妬みや嫉みにスポットを当てたかったのです。
そして、それこそが「女」の醍醐味なのではないかとも思うのです。

この作品のテーマは、「日常」と「非日常」、そして、先に書いた「女の醍醐味」だったりします。
甘く優しいだけのものには、クセになるスパイスが足りません。
少し毒があるものほど、私は夢中になれる気がします。
そんな私なりの、「純恋愛」を書いたつもりですが、どうでしょうか。

そう。
この「純恋愛」というタイトル。私の造語だったりします。
他で使っている人もいるかもしれませんが、少なくとも、国語辞典などの類では扱われていない言葉です。
しかし、意味はそのまま、「純粋な恋愛」です。
「純愛」などという言葉はありますが、「純恋愛」という言葉はあまり聞きませんね。
約束も保障もなく、お互いを求める気持ちだけで繋がっている恋愛こそ、「純粋な恋愛」なのではないかと思ってつけたタイトルです。
「純恋愛」として始まったはずの、石場と悠子の恋でしたが、結局最後には、「純恋愛」とは違った形になっています。
結局、「非日常」も時を重ねれば、「日常」に変わるのです。
そこには、様々な思惑や生活の中のしがらみが複雑に絡み合ってきます。
そんな部分も表現することができれば、と思いましたが、書き終わってみれば反省点もたくさんありますね。
とにかく、文章があまり上手くないのです。

少しずつでも、いい作品が書けるように精進していきたいものです。
今後も、どうぞ長い目で見守ってやってください。
この作品を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

2004年.1月 森原 あや

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